秋来きぬと
目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる
藤原敏行の大変有名な句です。
現代人にもわかりやすく、それでいて「はっ」とさせられる。
季節感が生活から遠ざかり、目に見えないもの、データとして証明できないもの、
他者と共有できないもの、そんなものは軽んじられる。
そんな社会が豊かであるわけがない。
「目にはさやかに見えない」という、
それでいて全く見えないと言っていないところが大切だと思う。
緑の壁を通してお届けしているのは、
さやかではないものを視えるようにするという無形のものなのです。